• 【ヤマト2205】小野大輔インタビュー「古代進と自分自身がリンクしてきた」
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2021.10.08

【ヤマト2205】小野大輔インタビュー「古代進と自分自身がリンクしてきた」

小野大輔(撮影=荒金大介)/(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会


ーー土門含めた、今回の新しいクルーたちの印象はいかがでしょうか。

小野 観ていて、とても熱い気持ちになりました。「オレたちもこうだったな」って。これはいい意味ですが、みんな不器用なんです。そもそも、最初から器用な人ってヤマトには乗らないですから。みんな不器用だからこその熱量を持って、この船に乗り込んでいます。土門以外だと、徳川さんのところの太助くん(ヤマトの元機関長・徳川の息子である徳川太助)がまた、いい感じにドン臭くて。そこが、可愛くて魅力的なだって思います。板東(平次)はとても熱い男ですが、それを羽多野(渉)君が演じているのが、また素晴らしい。羽多野君はとても深くていい声を持っているのですが、どこか青臭かったり、泥臭かったり、不器用だったりする。そして、みんなとても初々しいですね。祐もそうだし、羽多野君もそうだし、太助役の岡本信彦君もそうで。皆それぞれキャリアは重ねているし、決して新人ではない。でも初々しさや、はじめての興奮、熱さを忘れていないんです。そういうメンバーが揃った新クルーのキャスティングは、本当に素晴らしいなと思います。

ーー本作ではじめて『ヤマト』に触れる若い世代に、特に注目してほしいポイントはありますか。

小野 『ヤマト』の魅力や描いているテーマは普遍なので、どの世代の人が観ても共感できると思います。そういう意味では、これから『ヤマト』に触れる新しい世代の人たちに作品の魅力を語る時にも、他の世代に語る時と言葉は同じです。そこに描かれているのは、人類のために命を賭して宇宙に旅立つ人々のロマン、そして愛だと思いますので、それを感じていただいて、ぜひ異なる世代間で語り合ってほしいですね。

ーー『2205』で小野さんが特に印象的だったシーンは?

小野 古代が雪と二人で会話しているシーンが印象的です。土門について「アイツはオレだ」とポロっと語るのですが、まさしく僕も畠中祐を見て「ああ、オレも昔、こういうところあったな」とか「こんな不器用なところ、あったな」と微笑ましく思ったりするので、とても共感できるーーああ、やっぱりオレって古代進なんだなと思えたシーンですね。あとは、土門自身と古代との会話も印象深いです。あまり言葉は多くないのですが、語らない男の美学のようなものが感じられて魅力的です。そして、薮助治ですね(*薮助治=かつてヤマトで反乱事件に関わり、ガミラス側の人間となったキャラクター。今作ではガミラスの技術交流官としてヤマトに乗る)。演じているチョーさんのお芝居が、軽やかさの中にいろいろな意味や感情を感じさせてくれて、とても深いんです。人間の泥臭さ、ズルさ、汗、熱……お芝居からいろいろなことが感じ取れて、彼にもいろいろあったんだな……と思わせる。何なら、薮がいちばん共感できるキャラクターかもしれないなと思いました。

ーー森雪との会話のシーンの話が出ましたが、古代と雪の関係には、変化は感じましたか?

小野 今回は雪も艦長になって、ある意味、古代と同じ目線に立っているし、二人の関係性もより円熟したのかなとは思います。ある意味、ようやく恋愛感情に振り回されることがなくなったのかな、と。そこに一抹の寂しさも感じます。でも、そこから先で愛を深めていくところにまでは、まだ達していない気がして。この先が楽しみでもあり、実はちょっと心配になったりもします。地球人類も一枚岩ではないという不穏な空気が漂う状況で、彼らの愛がどう深まっていくのか……逆に離れてしまわないかって。ただ、先ほども話に出た二人の会話が、本当にすごくいいんですよ。古代が雪に対して後輩の話をして、ちょっと不安を吐露するんです。あの話は多分、雪に対してしかできない。そして雪は、その会話のシーンでは言葉が少ない。聞き手になってくれているんですよね。その姿がとてもいじらしいというか……雪ってやっぱりいい女だなと思いました。あの会話の雰囲気はとても好きですね。ぜひ、実際に観ていただきたいです。

ーー最後に、本作をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。

小野 今、この時代にまたヤマトが旅立つということに、僕はとても強い意味を感じています。観た人が何かポジティブな思いを抱けるのがエンタテインメントだと信じて、僕は声優という職業から関わっていますが、『ヤマト』を観ると希望が持てるんです。今作の古代のセリフに「ヤマトは希望の艦だ」という言葉が出てきます。まさしく、今の時代に未知なる未来へと進んで行く人々を応援し、背中を押してくれる言葉だなと思いました。辛いこと、理不尽なこと、我慢しなければいけないこと、生きているといろいろなことがあると思います。でも、どんなことがあっても前を向いて、上を向いて、空を見上げて進んで行けば、そこに必ず希望の未来が待っている。そう感じさせてくれるのが『ヤマト』です。ぜひ、観てください。そして、一緒にこの艦に乗って、未来へ旅立っていただければ嬉しいです。

小野大輔【古代進役】
おの・だいすけ/5月4日生まれ/高知県出身/フリー/『バクテン!!』(七ヶ浜政宗役)、『NIGHT HEAD 2041』(霧原直人役)ほか

(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会

アニメージュプラス編集部

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