──MVの撮影についても教えてください。SNSでは撮影日が大雨だったとも呟かれていましたが……。
寺島 あまりに音が激しくて「雹!?」って現場が騒然となるほどの大雨でした。もともと僕は「ロケがいいなぁ」って言っていたのですが、室内での撮影で本当に良かった(笑)。そして、屋内にして良かったという気持ちは単純な天気だけじゃなく、スタジオの作り込みを見た時にも感じましたね。あと、実はMVを撮ったスタジオが『TAKUMA TERASHIMA ONLINE LIVE 2020 4th STAGE ~ ASSEMBLE ~』と同じ会場で「えっ、ライブやったとこじゃん!」ってビックリしたんですよ。帰ってきたというホーム感もありましたし、またライブをやりたいという気持ちも込み上げてきました。
──MVはアナログとデジタルが融合した映像美も魅力的です。
寺島 映像の中でお花が雨のように降るタイミングに合わせて、物理的にもお花を降らせたり、これまで打ち出してきた「アナログとデジタルの融合」をしっかりと踏襲した感じです。スクリーンもめちゃめちゃ大きいのに映像も細かくて、間近に寄るまでドットすら認識できませんでした(笑)。
──歩くシーンでは、死角になるようにランニングマシーンを配置してその上を歩いていたそうですね。
寺島 「間奏に入ったら速度を上げよう」みたいな感じで、じつは結構細かく速度を調整していたりします。リアルタイムで変化を付けたりということはありませんでしたが(笑)。久しぶりのMV撮影ではありましたけど、現場で他のスタッフさんたちのそれぞれの仕事に対する熱量を改めて感じ取れたのは僕にとっても良かったし、ありがたかったです。メイキングでついてくださっていたカメラマンさんにも、「こういうところがすごいんです!」と裏方のスタッフさんをアピールしまくったので、そちらも是非チェックしてもらえると嬉しいです。どこまで採用されているのかは分かりませんが(笑)。
──スタッフさんの力をそれだけ感じたと。
寺島 いやー、これはMV撮影に限った話ではないんですけど、スタッフさんもすごいんですよ! お花を降らせるにしても、スタッフさんがいなかったらできない演出ですからね。皆さんに見えないところで照明のスタッフさんが明るさを精緻に調整してくれたりも……。僕にあまり知識がないので「えっ、照明の具合とかでどこがどう変わるの?」って感じだったりもするんですけど、写真を見ると思いっきり印象が変わっていたりするからすごい!
──MVやジャケットの絵作りに対するアイデアを寺島さん自身から出してみたいという気持ちは?
寺島 いやいや! 無理ですよ(笑)! 像のプロットを出すだけならやってみたい気持ちはありますが、技術や知識的な部分はもちろん、頭の中で映像を思い描いて決断をするというのができないタイプなので。「こっちのアイディアが良いなぁ……。あっ、でもやっぱりさっきの方が良いかも……」と決断力がないわりに色々と考えてしまって、迷惑をかけてしまう気配がします(笑)。今は撮影されることが楽しいのでそれで満足でしょうか。