――さて、今回メンバーの後上さんがヒーロー初体験でしたが、リーダー目線から採点されると……?酒井 (キッパリと)ヘボいね!
――ハハハ、辛口!酒井 でもそれは20年前の僕らもそうでしたから。今でもDVDで観られるシリーズ1話の初々しさですよ。だから、この映画を戦隊ヒーローと胸を張って言えるのは、そんな後上の至らなさがあるから。どこかヒーローものの1話のムードが出せていて、そこが今回の映画の狙いなわけです。だから後上を「下手くそやなー!」とか、とことんイジリまくってますけれども、実はそこが良いんですよ……と、プロデューサー目線の僕からお伝えしておきます(笑)。
――じゃあ、今回の後上さんは合格?酒井 合格、大合格! 100点ですよ。
――本編の後上さんも、何が何やらわからないままアタフタするという役柄でしたから、そういう意味ではハマってるんですよね。酒井 そうそう、あれは本当に等身大の後上なんです。脚本を作るに当たって、後上への細かいリサーチが入りましたから、嘘はないと思いますよ。
――白川さんのアクションも素晴らしかったです。酒井 頑張りましたね。スタッフも白川のことをよく知ってるから、足りないところは上手いことまとめてくれて――そういう信頼関係が20年経っても残っているのが嬉しい。あと、小田井さんがいまひとつ戦隊に乗っかり切れてないのも良いでしょう(笑)?
――小田井さん自身もそうおっしゃられていましたね(笑)。酒井 構えとか実にぎこちないんですよ。そこも含めて、小田井さんも戸惑いながらも楽しんでもらえたんじゃないかと。
▲『純烈ジャー』撮影現場での純烈。
――本作での新曲『NEW(入浴)YORK』『心のままに』の詞に、どんな気持ちを込められましたか。酒井 『NEW(入浴)YORK』は純烈ジャーとしてのカラーを打ち出せる、一聴してヒーローソングと思えるものを意識したかな。JAM Projectさんならではのユニゾンとハーモニーをぶつけていくボーカルスタイルを取り込みたくて影山さんに曲を作ってもらいました。
『心のままに』はデビュー前から知り合いのNARASAKIさん、彼にいつか曲をお願いしたいとずっと思っていたので、ED曲は彼と決めていて「前川さんとデュエットで」と注文しました。純烈ジャーのマスクの中から何かメッセージを送るとしたら「必ずまた会えるから」。マスクが手放せないコロナ禍の中で不安だったり、辛いこともあるかもしれないけれど、またあなたの街で、どこかの会場で会えるから、その時まで心のままに生きていてくれよ、という歌にしたかったんです。
――歌詞にある “マスク” は、純烈ジャーのマスク、皆がつけているマスクとのダブルミーニングなんですね。そういう意味において、『純烈ジャー』はコロナ禍の中だからこそ生まれた作品とも言えるのでは。酒井 まさしくそうですね。コロナ禍じゃなければ撮影スケジュールは出なかったでしょうし、昨年の春にステージスケジュールが真っ白になった時、純烈の生き残りを賭けるためにできること、さらなるインパクトを与えられるもの、ということを考えて行く中で、映画という形でファンの方たちに僕らの気持ちをしたためた “手紙” だと思っています。コロナが収束するまでは定期的に、できれば1年に1回はそれを届けていければな、と思っています。
――シリーズ化を目指したい、ということですね。では最後にこれから作品をご覧になる皆さんへメッセージを。酒井 最近いろんな形でヒーロードラマが盛り上がっていますけど、僕らは自分たちのやり方で笑いと歌を届けます! 面白かったら、友だちを誘ってまた観に行ってください。あと特撮ファンで「純烈か~」みたいな感じで迷っている人、絶対観たほうが良いですから(笑)!
>>>撮り下ろし写真、『純烈ジャー』メイキング&気になる出演者たちをチェック!(写真12点)(C)2021東映ビデオ