• 公開初日に続編決定!純烈・酒井一圭「『純烈ジャー』は年に一度ファンに届けたい」
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2021.09.10

公開初日に続編決定!純烈・酒井一圭「『純烈ジャー』は年に一度ファンに届けたい」

「『純烈ジャー』のシリーズ化を目刺す!」と純烈・酒井一圭さん 撮影/大山雅夫

いよいよ本日、9月10日から公開となった『スーパー戦闘 純烈ジャー』。ムード歌謡グループ「純烈」が温泉を守るスーパーヒーローに変身、本格的な特撮アクションを魅せる快作は、小林幸子さんが悪の女王役、前川清さんが温泉施設内の売店店長役で出演することも大きな話題を呼んでいる。
アニメージュプラスでは、純烈メンバー、そして佛田洋監督それぞれに作品への思いを語ってもらうインタビュー連載を企画。第4回は、大阪で行われた初日舞台挨拶で『純烈ジャー』続編制作決定を電撃報告したリーダー・酒井一圭さんが登場、なぜ今ヒーローの世界へ回帰したのか、メンバーの頑張り、映画や歌に込めたメッセージ、会えなくなったファンに伝えたい思いなどを熱く語って頂きました!

――まず、酒井さんが企画当初に描いていた『純烈ジャー』のイメージと完成した映画を比較してみての感想からお聞かせ下さい。やはり想像以上に膨らんだ感じですか。

酒井 膨らんだ、膨らんだ! 最初は『純烈ジャー』という名前くらいしか思いついてなくて、それをモチーフにしておばちゃんたちに映画を届けたいな、みたいなことだけでしたから。あのスーツのデザインが野中(剛)さんから上がってきた時、『(百獣戦隊)ガオレンジャー』のスーツやCGで変身する場面を初めて見た時の感動が甦りましたよ。あとマイクチェンジャーっていうアイテムも向こう(スタッフ)から出て来たものですし。
▲野中剛さんが手がけた純烈ジャーのデザインに酒井さんも感激!

――東映が長きにわたって培ってきたものが次々と酒井さんの夢を形にしていった、と。

酒井 「チェンジャー」っていうからには、変身する時に何か言わないといけないじゃないですか。自分ではなかなか出てこうへんな、と悩んでNHK『うたコン』放送前のメイク室で小田井さんに「こんなカッコいいマイク考えてもらってるねん、『○○チェンジ!』みたいな掛け声いると思うねんけど、何かない?」と聞いたら、顔にドーラン塗りながら(渋い声で)「ラブユー!」って一言。

――ハハハ! カッコいい!!

酒井 それ聞いて「めっちゃええやん! ポジティヴやし、『ラブユー東京』とかムード歌謡でも使ってるから、おばちゃんたちにも分かってもらえる!」ってスタッフに連絡したら速攻でOK。そういう感じで、この映画はスタッフと僕らのアイディアが混じり合って、思いもよらぬものになっていく楽しさがありましたね。

――そういった予想のつかなさを楽しまれた?

酒井 そうそう。僕ら「ムード歌謡やるぞ、紅白行くぞ!」は考えたけれど、健康ランドでブレイクするイメージはさすがになかったわけですし(笑)。それと一緒で、最初は自分の考えだけだけど、いろんな人の手が加わって見知らぬところへ導かれていくのが僕の思っているモノ作りの楽しさですね。

――本作の内容には、その思いが強く反映されていると思います。ひとつ改めてお聞きしたいことが。純烈はデビュー当時 “元ヒーロー” というバックグラウンドを武器にしていましたが、今やそのギミックを背負わずともよいところまで来ていると思うんですよ。ここでまた、あえて新ヒーロー像を担ごうとされる理由は?

酒井 歌謡曲や演歌の素晴らしさっていうのは、僕らが語らなくても歌番組やいろんな形で子どもたちにも理解されているじゃないですか。ところが、純烈でいろんなところを回って変身ポーズをとっても、おばちゃんたちは「昔何かやってたらしいね」くらいの認識しかないわけですよ。そんな方たちに、僕はどうしても自分がやってきた、そして現在も続く東映のヒーロー文化の素晴らしさを体感させたくて。だから、今僕らが演じることでこのジャンルに興味を持ってもらって、子どもに限らず、おじちゃんおばちゃんたちにもヒーローの世界を楽しめるようにしたい。

――なるほど。

酒井 この映画は歌謡だったり昭和の香り、ベタなヒューマンドラマがありますけれど、さらにアクションや特撮を加えて「この年齢でもこんな作品を楽しめるんだ」という気づきがあれば、若返ったり元気が出るでしょう? そこを狙っていますね。

――かなり攻めの姿勢でこの作品に取り組まれているわけですね。個人的には、この作品が成功した理由の大きな部分は、佛田洋監督の起用にあると思うんですが。

酒井 そこ、本当にデカいですよ! 『純烈ジャー』ごときにお付き合い頂ける監督さんならもう本当に誰でも……という感じだったんですが、いろんなことが上手く噛み合って佛田さんに決まって「やった、ラッキー!」って叫びましたよ。僕の中での佛田さんのイメージですけれど即決即断、あと分かりやすい言葉で説明できる竹を割ったような性格、そしてたくさんの映画知識に裏付けられた奥行きですよね。過去の歌謡映画やプログラムピクチャーの魅力を熟知しているから『純烈ジャー』にその要素がいろんな形で入っていますから。
▲『純烈ジャー』撮影現場での酒井さん。

――佛田監督は東映のプログラムピクチャーも大好きですからね。

酒井 だから佛田さん、最初は100%そのノリで――ドリフターズとか(ハナ肇と)クレイジーキャッツの映画みたいな歌謡映画をやろうとしたんですよ。「おばちゃんは特撮なんて興味ないから、そっちの方が良いよ」って。そこを僕が「いや、佛田さん。おばちゃんたちは、そういう映画を今までさんざん観ているじゃないですか。純烈の歴史的にはそこに変身やバトルを入れたいんです」と粘りまして。結果、ミュージカルシーンも残ってはいますけれど、そこが折衷案というか。

――なるほど……佛田さんはもっと安牌でソフトな内容を狙おうとした。

酒井 佛田さん、相当僕らを気遣ってくれていたと思います。でも、先程お話したような僕がお客さんにぶつけたいことを説明して。「あれ、じゃあいつも通りでいいの?」「こっちはそのいつも通り、あなたの仕事の凄さを伝えたいねん!」と(笑)。

(C)2021東映ビデオ

アニメージュプラス編集部

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