『ガリアン』の世界観を支えるメカニック――「機甲兵」は、古代アースト人の超科学文明によって生み出されたものであり、その多くは遺物として掘り起こされて活用されている。デザインを担当した大河原邦男・出渕裕は、ファンタジー世界の異形感を持ちながら高度なテクノロジーが共存する、それまでのリアルロボット作品とは異なるテイストを提示。またガリアンが装備する、楔型の刃をワイヤーで連結したガリアンソードを用いたバトルシーンは、鞭と剣という2つの要素を取り入れたアクション描写でアニメファンに強い印象を残している。
▲ガリアンと人馬兵プロマキスのバトル。
そしてTVシリーズ総集編と合わせて制作されたオリジナルエピソード『鉄の紋章』も要注目の1作だ。よりハードなテイストのファンタジーとして『ガリアン』の世界観を編み直した本作は、TVシリーズをベースにしながらキャラクター&世界設定を一新した異色作として仕上がった。
さらに機甲兵のビジュアルは、出渕裕によって甲冑的な要素を加味したフォルムへとリデザイン。特に機甲兵的な上半身と蛇状の下半身を併せ持つ本作のオリジナルメカ “邪神兵” のビジュアルは大きなインパクトを与えた。
本作のジョルディは、戦乱の続くアーストを機甲兵によって統一しようとする偉丈夫マーダルの養子・第二王子として登場。同じくマーダルの養子・第一王子であるハイ・シャルタットは、封印されていた機甲兵 “邪神兵” に惑わされてマーダルを殺害。その惨状を目撃したジョルディの前に、伝説の鉄巨人ガリアンが現れる。ガリアンに乗り込んだジョルディは、さらなるハイの凶行を止めようと、邪神兵の前に立ちふさがる――。
▲『鉄の紋章』のジョルディ。TVシリーズよりも精悍で野性味あふれたイメージだ。
▲機甲兵のビジュアルは、よりシャープなイメージに。
ヒロイックファンタジーとロボットアニメの融合を目指したサンライズ作品の先達には富野由悠季監督が手掛けた『聖戦士ダンバイン』(1983年~84年)があるが、それとはまったく異なる高橋監督ならではの乾いたテイストで描かれる『ガリアン』の世界は、今でも根強いファンの支持を集めている。この貴重な機会を逃さず、一味違うSFファンタジーアニメの魅力にぜひ触れてみてほしい。
>>>『ガリアン』3作に登場するキャラクター&メカニックをチェック!(写真18点)(C)サンライズ