いよいよ公開が迫る『スーパー戦闘 純烈ジャー』。ムード歌謡グループ「純烈」が温泉を守るスーパーヒーローに変身、本格的な特撮アクションを魅せる快作は、小林幸子さんが悪の女王役、前川清さんが温泉施設内の売店店長役で出演することも大きな話題を呼んでいる。
アニメージュプラスでは、純烈メンバー、そして佛田洋監督それぞれに作品への思いを語ってもらうインタビュー連載を企画。第2回は後上翔太さんが登場、映画出演はもちろんのこと、ヒーローへの変身など初めて尽くしの現場で何を感じたのか、率直に語って頂きました!
――『純烈ジャー』でいきなり特撮ヒーローの世界に入るだけでなく、主演扱いということで戸惑いも大きかったのではないですか。後上 ここまで来ちゃうと「そうなんだよな」と思えるんですが、決まった当時はそれを直視しないようにしていましたね。
――どういうことですか?後上 台本を読むと自分が大事な存在だということがわかるじゃないですか。その “大事” を真正面から受け止めちゃうと、逆に「絶対ムリじゃん」となって動けなくなってしまうんですよ。なので、「1日、最低これくらいは頑張ります」というのを決めて、それを地道に積み上げていく感じでした。
スタッフさんが求めていたものに、実際僕がどれくらい応えられたかは客観的にはわからないですが、映画を観ると、僕がやれることはやった上で、足りない部分をすべてスタッフさんや他の共演者の方にすごくお力添えをいただいたな、という印象があります。
▲浴場の後上さんを捉えたメイキング風景。
――今回の作品は「後上さんをヒーローにする」ことが前提だったということですが、それもプレッシャーですよね。後上 「それを聞いた時、どう思われましたか」とよく聞かれるんですが、逆に何も思わなかったんですよ、実感がなさすぎて(笑)。「純烈主演で映画をやる、内容は戦隊ヒーローものでお前が変身する」って、立て続けにポンポンとこういう普通の会話の流れで来たわけですよ。情報量が多すぎて「はぁ……」って感じです。本当は気の利いたことを言いたいんですが、現実的にはポカン……でした。
――小林綾子さんとの共演場面が多かったですが、撮影の合間のやり取りなどで印象的なことはありますか。後上 どういう方なのかいろいろとネットで調べてみると、「『おしん』で史上最高視聴率を記録」みたいな凄い情報がいっぱい書かれていたので、初顔合わせの時は「これはヤバい」とカチカチになったんです。そうしたら、「こないだの温泉の番組、観ましたよ」みたいにすごくナチュラルな感じで話しかけてくださって。カチカチに凍りついていた自分を、熱湯ではなく一番心地の良いぬるま湯のような優しい言葉で解きほぐされた感じでした。
――演技面では細かい指示などあったりしたのですか。後上 いえ、それとは逆で「思った通りでやってください」と。最初は「それがわからないんだよ、くそーっ!」って思っていたんですが、途中からはわからないなら台本どおり、言われたとおりにやるしかない、という開き直りができるようになって。
――『純烈ジャー』の後上さんと実際の後上さんにつながる部分はありますか。後上 う~ん……あちらはあくまで “純烈の後上” という感じで、自分とはそんなにつながらないかもしれないですね。『純烈ジャー』の後上さんは、先生にしたこととかを引きずっていたり、自分を守るために辛く人に当たって悪態をついてしまうところもあるんですが、リアルな自分だったらそういう時、もっとクールに上手く躱しちゃうと思うんですよ。映画の自分は人間味があって、そこも素敵だなとは思います。
――今回は出口亜梨沙さんとも少し艶っぽいシーンもあったりしますね。▲後上さんが運命を感じる? セクシーな占い師・桶川アリサ(出口亜梨沙)。
後上 出口さんはもうビジュアルの段階で色気たっぷりなんですが、お芝居も魅力的だから、もう素でほわ~っと引き込まれていきました。
――今回はギャル男っぽい感じのメイクもされていました。後上 あ、その部分はリアルですね、昔ギャル男やってたので(笑)。
――演じる中で力が入った場面となると、どこになりますか。後上 バーっと走って先生を追いかけるところですね。あそこ、ガチで走った後リアルにハアハアしながら演じたんですよ。今考えると、僕がよくない方向で力が入りそうなところは監督やスタッフの方が先回りして、自然に演じられるように手配してくださってるんですよね。
――素直に気持ちが繋げるように。後上 はい、自然な流れで起きていることに対して素直に演じれば、上手く見えるような順番でやっていただいたんだと思います。
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