『俺100』のEDに隠された音の秘密。高槻かなこが語る『Subversive』

現在放送中のTVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』第2シーズンのEDテーマ『Subversive』。力強い歌声でアニメの世界観を表現するのは、高槻かなこさん。主題歌に込めた想いや洋楽のように聞こえる秘密、カップリング曲の制作背景などを伺いました。

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――表題曲『Subversive』は第1シーズンに引き続き、TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』第2シーズンのEDテーマになっていますが、再びタイアップが決まった時のお気持ちをお聞かせください。

高槻　再び彼らの成長を一緒に追えるのが嬉しいなと思いました。もう一度彼らのことを考えて、1期の時よりも更に成長した部分を書けるというのが、やりがいがあるなと。

――『Subversive』は作詞を担当されていますが、どんなコンセプトで言葉を紡いでいったのでしょうか？　

高槻　制作にあたって、アニメチームから「命」というテーマをいただきまして……。

――難しいテーマですね。

高槻　難しい！  と思ったのですが、原作を何度も読んだ上で「繰り返し」というものをテーマにしようと決めました。『俺100』の主人公達は、（達成すべき）クエストがあるので色々な戦いを繰り返しさせられますし、特に今回の2期では、オーク対人間の戦いに加わることになるんです。オークも人間もどちらが良い悪いではなく、各々の正義の為、命の為に昔から何度も繰り返し戦っているのですが、その歯車のように同じ戦いを繰り返していることを、「命」と絡めて表現してみようと思って、作詞しました。

――難しいテーマゆえに作詞も結構時間がかかったのでは？

高槻　期限ギリギリまで悩みました。アニメタイアップということで、まずはテレビサイズ用にワンコーラス書いてから、その続きを書いていくという感じだったので、何だかずーっと考えていた印象です。

――どの言葉が最初に浮かんだのでしょうか？

高槻　最初にフックにしたいなと思ったのは、Bメロの「ふと立ち止まって見える景色赤く染まっても～」の部分ですね。『俺100』アニメ1期の最後に、実は主人公達がいるのが異世界とは言ってもバーチャルではなくて、実際に存在する世界だと知ってハッとするという展開があるんです。今回はそこから変わっていく彼らの変化を書きたいから、その景色は入れたいなと思って、そこをひとつフックにして書いていきました。

――サビではなくBメロから浮かんだのですね。

高槻　そうですね。サビは「破壊」とか「壊していく」という言葉を色々調べていく中で、「Subversive」という言葉が出てきて、他の曲名でも聞いたことのない言葉だし、メロディーにも合うし、キャッチ―かもと思って。はめてみたらSubversiveという言葉のためのような曲になりましたね。

――特に気に入っているフレーズはどこでしょうか？

高槻　2番の歌詞が丸々、「どちらが良い悪いじゃない」ということを俯瞰的に歌っているので、ここは大事な部分かなと。本当に想いの熱さは比べられないし、今の流れを断ち切らないと次に進めない時ってあるじゃないですか。そんなことを書いています。彼らが生きるか死ぬかの命をかけたバトルをしているので、あまり軽薄な表現にはしたくないなとも思っていて。

――重いテーマに負けない歌詞に仕上がったんですね。今回は曲が先に出来ていたのですよね。初めて聴いた時はどんな印象を？

高槻　不思議な曲だなと思いました。でもその分、やりがいはありました。

――レコーディングはすんなり？

高槻　自分のイメージしていたものを具現化しながら歌う感じで、レコーディング自体は結構すんなり進みました。コーラスやフェイクが多いので、そっちの方が大変でしたけれど（笑）。

――どんなことを意識して歌われたのでしょうか？

高槻　洋楽を意識して作られたメロディーの曲なので、日本語をちゃんと歌おうとするとちょっとダサくなるんです。なので、日本語の歌詞も英語みたいな発音で歌ってみたり。語尾も「わ」にしているのですが、これは女性目線で歌っているという訳ではなく、そう締めた方が洋楽っぽかったからという理由なんです。曲を聴いて日本語英語どっちだろうと思ってもらえると嬉しいです。

――楽しく歌えましたか？

高槻　サビが声を張り上げているので、歌っていて気持ちも入りました。心のままにメロディーに沿って歌うと、気持ち良い部分ですね。

――この曲がアニメのエンディングを飾る訳ですが、自分の歌声がテレビから流れている時ってどんな気持ちなのでしょうか？

高槻　CMとか予期せぬ瞬間に突然流れるとびっくりしますし、嬉しいです。