• 『Sonny Boy』不条理な世界とナチュラルな会話劇の真相? 市川蒼×小林千晃インタビュー
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2021.08.12

『Sonny Boy』不条理な世界とナチュラルな会話劇の真相? 市川蒼×小林千晃インタビュー

(C)Sonny Boy committee


長良と朝風の会話はカラオケ感覚!?

ーー二人のやりとりは、どんなイメージで演じていらっしゃるのでしょうか。

小林 基本的にしかけるのは朝風で、長良はずっと受け手で言われるがままという感じですね。

市川 そうですね。話数を重ねるとその関係もちょっとずつ変わってはいくのですが。今のところ長良って冴えないというか、漂流した生徒たちの中でも「こいつは何の役に立つのだろう?」みたいな、いてもいなくてもいい存在という認識がクラスメイトの中にもあるとは思うんです。でも、希に気にかけてもらったり、瑞穂と何となく協力しあうようになったり。逆に朝風は、強い能力を持っているけど、そういう部分の欲求は満たされていない。

小林 そう、朝風としては「オレがいなかったらみんなどうなっていたかわからないぞ」っていう気持ちがあるのに、そんなオレよりも何の役にも立たない長良の周囲に集まる奴がいるのがおもしろくない。

市川 そのフラストレーションのはけ口に、長良がなっているという感じですね。

ーー複雑ですね(笑)。

小林 だから、朝風と長良は会話しているように見えてあまり会話していないのかな、と僕は思ったりします。朝風としては、ただ感情をぶつけるだけ。カラオケで歌っているような感覚(笑)。

——一方的にモヤモヤを吐き出す感じですね(笑)。

市川 だから長良が返事をしても、朝風にはそれを聞く気はない。

小林 最初から長良を否定する気でいるから、何を言われても「は? 何だよ」みたいな感じで反応するだけ。

市川 実は一方通行なんですよね。そういう部分でも、実は長良のほうが大人といえば大人なんですかね。でも、そこで言い返せないところが長良の心の弱さでもあるのかな、とも思います。

ーーストーリーは中盤を迎えていますが、ここまでの内容でそれぞれいちばん驚いたことは?

市川 ……サル(笑)?

小林 (笑)

——第4話ですね(笑)。サルたちの野球、「モンキーリーグ」の物語が熱く語られる中で、なぜか長良たちが野球をするという謎の回でした。

市川 サルはびっくりしました。最初にサルが野球している、みたいな台本を貰って……。

小林 よくわからなかったですよね。「どういうこと?」って。

市川 そう、台本をぱっと開くと、ひとりのキャラクターがずっとしゃべって説明していて。それがキャップという野球をやっているキャラクターですけど、その説明を読んでも「……何? どういうこと?」みたいな。あの話数は絵も強烈だし、物語も今までの空気感と違っていましたよね。

小林 トリッキーでしたね。まあ、どの回もトリッキーといえばトリッキーですけど。わからないことがある程度回収されるのかな……と思って第4話を迎えたら、さらにマジでわけがわからない話がきた! という感覚でした。

市川 しかも、第4話の最後にあき先生が出てくる。

小林 そうそう、そこも驚いた。というか、あき先生もいるの? みたいな。

市川 サルの話の謎がちょっと解消されたと思ったら、また新たな謎が……と驚きの第4話でした。あと僕は、第2話のラストで、また新たな世界が……という展開も驚きでした。元の世界に戻る雰囲気もないし、戻るにはどうしたらいいかのヒントもまったく出ていないのに、さらに新たな世界が登場して。最終的にどこに辿り着くのだろう? と。しかも、中学生たちがみんな、意外とそんな不条理な世界に順応している(笑)。

市川 そう、パニックにならずに。強いな、中学生って(笑)。

小林 逆に中学生だから大丈夫なのかもしれないですね。大人が36人だったら絶対にこうはなっていないだろうし。

ーー今後、さらに謎と混沌が深まりそうですね。

小林 大きいカギを握るのは、やっぱり先生ですよね。生徒たちの状況が、先生を中心に乱されていく。

市川 さらに一波乱、みたいな感じです。

小林 あとは、長良にあらためて注目です。ここまで、主人公ではあるけれど主人公然とした行動はわずかしか取れていなかった長良に、しっかりスポットが当たるので。とにかく今後も、急展開ですね。


(C)Sonny Boy committee

アニメージュプラス編集部

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