今までとは違うウルトラマンがきた!——撮影現場はどんな雰囲気でしたか。小柳 楽しかったよね。
濱田 すごく楽しかったです。
小柳 撮影は、熊本とかいろんなところに行きました。自分たちが見ている景色は地球じゃないですか、でも撮影した画を見ると惑星アヌーなんです。この不思議な感覚がずっと続いている中で撮影していました。何か思い出してきたね。
濱田 思い出しますね。一番最初のシーンで「アヌー警備隊、出動だね」って言ってるときに僕、生のズッキーニに青い食紅を塗ったものを食べているんです。
小柳 ああ、そうそう!
濱田 それをガリッとかじるんですが、すっごく不味くて。キュウリだったらいいのになぜかズッキーニだったんです。
小柳 そうそう。
濱田 その後しばらくトラウマで、2〜3年ズッキーニ、焼いても食べられなかったですね。
小柳 そりゃそうだよね(笑)。
濱田 あれはとにかく不味かった(笑)。
小柳 暑い時期の撮影だったから常温だし(笑)。
濱田 余計に(笑)。カットになった瞬間にコップ持ってきてもらって。あれは苦しかったですね。
——小さい子なら嫌いな野菜に入る部類ですよね。濱田 そうそう、初めて食べたんですよズッキーニ。「これがズッキーニ!」って。
小柳 すっごく嫌な顔をしてたのを覚えてる。
濱田 わかりやすいくらい嫌な顔をしていましたね。
小柳 本番中に一生懸命食べてるのも可愛いじゃないですか(笑)。
濱田 大変でしたね。
——グリーンバックでの撮影はありましたか。濱田 そんなになかった気がします。鏡の国のシーンは全部グリーンバックでしたね。
小柳 そうだね。僕はベリアルとのやり取りはグリーンバックでした。
——特撮ならではの撮影だと思いますが、戸惑いはなかったですか。小柳 大変でしたね。そう、思い出した。三角形のドアのストッパーみたいな緑の箱が置いてあったんですよ。それを手にとって「なんだろう」って思っていたら「それ、宇宙だよ」ってアベ監督に言われたんです。「どういうことなんだろう?」って思っていたら、引きの画を撮るときに、かかとが浮いていると宙に浮いているように見えるので、かかとにかませるための箱だったんです。「これが宇宙なんだ!」って思って、めちゃくちゃ興奮したのを覚えています。
——そうした工夫で宇宙空間を表現していたんですね。小柳 ちょっとしたことだと思うんですが。それだけで全く変わるっていうのが面白いなと思いましたね。
——最初にウルトラマンゼロのビジュアルを見たときはどんな印象でしたか。小柳 格好いいなって思いましたね。あとは尖ってるなって。僕の考えなんですが、人間の内面って外見に出ると思うんです。そう考えると、ゼロってそういう人なのかなって思っていたら、実際そうでしたね。なんていうか、イケイケっていうか不良っぽいというか、尖ってるものがありましたよね。
——当時にはいないタイプのウルトラマンでした。濱田 「今までとは違うウルトラマンがきた!」って思いました。それにセブンの息子って聞いて「ああ(なるほど)」って納得しました。体型もそうですし、胸のあたりの造形もセブンらしさがあって。すごく格好いいなって思っていました。
——やんちゃな感じで強いのが、当時の子ども達やウルトラファンにうけて、人気が出ました。濱田 すごいですよ。
小柳 未だに人気があるっていうのが。すごいよね。
濱田 ステージショーでもゼロが登場すると、歓声がすごいんです。
小柳 やっぱりゼロが入ってくると空気が変わる感じ?
濱田 変わりますよ。ズルいですよ(笑)。
小柳 ジードも出てるの?
濱田 出てたり出てなかったり…。
(C)円谷プロ
(C)2009「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説」 製作委員会
(C)2010「ウルトラマンゼロ THE MOVIE」製作委員会
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