• 『アーヤと魔女』宮崎吾朗監督が作品に込めた「求められる生き方」とは
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2020.12.31

『アーヤと魔女』宮崎吾朗監督が作品に込めた「求められる生き方」とは

宮崎吾朗監督 撮影/菅原 拓



――エンディングでは、アーヤたちのその後の姿がイラストで描かれています。

吾朗 原作もそうなんですが、お話が突然終わるので、後日談みたいなものを描いてあげたら楽しいかなと、ちょっとした遊び心で描いて、とりあえず絵コンテに入れていたんです。その後、エンディングをどうしようかとスタッフと話をした時に、「これをそのまま使おうよ」という話になったんです。

――みんなハッピーなムードが伝わってきて、すごく良かったです。

吾朗 理想の家族かどうかは分からないですけど、アーヤの落ち着き先がひとまずできたという感じにはなったかなと思います。マンドレークもそうですけど、操られたほうが幸せっていう時もありますからね(笑)。若い人にお願いされて「しょうがないな」なんて言いながら、まんざらでもない顔してやるっていうのは、決して悪いことじゃないと思うんですよね。


(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli

――それは誰かに求められる存在である、ということですね。

吾朗 そうですね。誰かに何か求められるのって、やっぱり嬉しいですしね。これまでの経験に頼って、頭がカチカチになっている中高年からすると、むしろ若い人に操られる方が楽しくやれるんじゃないかな。だから若い人たちも、うまく中高年を転がしてあげたほうがいい。

気難しい引きこもりの中年男であるマンドレークと、不機嫌な魔女ベラ・ヤーガが二人きりであの家に住んでいるって思うと、毎日楽しくないだろうなって想像できますから。そこにアーヤが来たことで、二人は振り回されて生き生きしてくる、そういう話なんじゃないかなって思います。


(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli

※このインタビュー完全版は、「ROMAN ALBUMアーヤと魔女」に掲載されます。

アニメージュプラス編集部

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