• マニアの方、期待を裏切りません! 『がんばれいわ!!ロボコン』 鈴村健一インタビュー
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2020.08.03

マニアの方、期待を裏切りません! 『がんばれいわ!!ロボコン』 鈴村健一インタビュー

(C)石森プロ・東映


特別に『魔進戦隊キラメイジャー』のお話も!

――せっかくなので魔進ファイヤの声でご出演中の『魔進戦隊キラメイジャー』のお話もお願いします。追加戦士のキラメイシルバー/クリスタリア宝路も登場して盛り上がっていますが、最近のエピソードはいかがですか。

鈴村 アフレコをしてますしシナリオも読んでるんですが、OAを観て本当に面白いと毎週思います。自分が出ていて、あまりないことですが、単純に視聴者として面白いなと思っているので、すごい作品です。
最近のエピソードで僕が好きだったのが、キラメイイエロー/射水為朝がループに入っちゃう話(エピソード11「時計がクルリと」)。ループもの・やり直しものはよくある話で、今や作品においてのひとつのジャンルにもなっていると思います。子どもたちでもわかりやすい話だなと思うと、本当によくできてる話だなと思いました。これからもループものって、より難解なものも含めてまだまだ作られると思いますし、それらにチャレンジする脚本家さんや監督さんもたくさん出てくると思います。今の子どもたちにとって、人生で一番最初に触れるループものが『キラメイジャー』のあの話だと思うと、ものすごくチャレンジングだなって。
でもあれはものすごくわかりやすく解説して、キラメイジャーらしい解決をするんですよね。僕は結構感動して、めちゃくちゃ面白いなと思いましたね。その後にクリスタリア宝路が出てきて、そこもシビレましたよね。宝路のキャラクターもすごくいいし。昭和のおじさんという設定が、僕としてはすごく共感性が高いしとてもいい設定だなと。おじさん好みの設定だったなって思います(笑)。
さらにいいなと思ったのが、キラメイピンク/大治小夜とのちょっと何とも言えないドライな男女関係。あれが結構熱くて。スーパー戦隊を長年観ていますが、まったく恋愛を描かないか、描くとしてもしっかり恋愛感情があるんです。昔で言うと『鳥人戦隊ジェットマン』。最近だと『獣電戦隊キョウリュウジャー』の最終回あたりはピンクがキングのことを好きになってるんだろうと思わせましたね。「帰ってきたらデートして」とか、ちょっとキュンとする展開なんですよ。小夜と宝路には大人の雰囲気がある。あの感じはスーパー戦隊としても珍しいし、チャレンジングなホンだった気がします。好きとか嫌いじゃないけど、確実に男女を感じる演出。新しいと思ったし、それがいいなと思いました。まさに“ワンダー”で“エモい”! 結果、小夜にキュンとしましたね。この先どうなるんだろうと楽しみにしています。

――特別編「キラトーーク! 相方大好き魔進」もよかったですね。

鈴村 楽しかったな。あれも東映のいいところと悪いところが出ましたよ(笑)。タイトルを聞いた時から楽しみにしていて、台本を渡されて、とても面白いホンだなと思っていたんです。マシンたちがそれぞれのパートナーを好きっていうことが描かれる良いシナリオなんです。それで十分だと思うのに、注釈で「ここはミルクボーイで」とか、「ここカミナリ風にツッコんで」とか全部書いてあって、大体僕にそれを振ってくるんです(笑)。カミナリ風にツッコむって、最初は忠実にやったんですが、「ごめんなさい、ちょっとファイヤ感がないんで……」とディレクションをいただいて、どういうつもりで書いたんだよ! と思いながらアフレコしました(笑)。めちゃくちゃ楽しかったです。

――アニメージュ4月号でキラメイレッド役/熱田充瑠役・小宮(璃央)さんとの対談の際も、「アフレコで無茶振りをされた」とおっしゃっていましたが、健在なんですね。

鈴村 あれは結構な無茶振りですよ。本当に丁寧にカミナリもやったし、ミルクボーイもちゃんと落とす感じとかテンションもやったし。「それやったらコーンフレークやな」って落として飲み込んでから「違うやないかい!」と。あのテンションの上げ方もかなりトレースしてやったら、「ファイヤなのでそこは熱血で」とディレクションをいただいて、ミルクボーイちゃうやないかい! と思いながら、試行錯誤して勢いでやりました。面白かったです。
改めてファイヤって、本当にかわいいキャラクターだなと思います。

――最後に『キラメイジャー』ファンにもメッセージをお願いします。

鈴村 キラメイシルバーも出てきましたし、いよいよ盛り上がっていきます。ここまでのクールでは、キャラクターがどういう人たちかということがすごく丁寧に描かれていたと思います。今度はこのキャラクターたちがどういうことに巻き込まれていくか、起承転結の承というか、ドラマティックで今まで応援してきたかいがあるようなドラマ展開になっていきますので、注目していただきたいです。
この作品にはスーパー戦隊のいいところが全部入っているので、観ていない人は絶対に観たほうがいいと思います。実際、長年観ていながら、今は『バトルフィーバーJ』を観直しているところですが、やっぱりスーパー戦隊ってある種のお約束、フォーマットがあるんですよね。また作風によっては、子ども向け、大人向けと、作品によって多少のかたよりがあると思うのですが、ときに奇跡のように両方が混じってるバランスがある。子どもはとにかく笑えるし、大人はなんだか考えさせられるし。さらに今回いいなと思っているのが、過去の特撮ファンに対してのアプローチがちゃんとあるところ。『キラメイジャー』には全部入ってるんですよ。東映特撮のスーパー戦隊の歴史が全部入っているんです。例えば、『秘密戦隊ゴレンジャー』の敵は「◯◯仮面」なんですが、それがモチーフになってるのか『キラメイジャー』の敵は「◯◯邪面」になっています。おじさんにはたまらないですね。子どもは子どもで、とにかく明るいスーパー戦隊を楽しめるし、子どもも大人も本当に楽しめる、とにかく楽しいスーパー戦隊なのでぜひご覧ください! よろしくお願いいたします。

(C)石森プロ・東映

文/阿部雄一郎

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