怪獣が好きですね
HH フィギュアとかもお好きなんですよね。
ライガー ガレージキットが好きですね。ガレキのほうですね。
HH 自分でもお作りになるそうですが。
ライガー 粘土でちょこちょこっとね。好きなのでやっていますけど。ちょっと最近怪獣のガレキがないので、寂しいなって思いますけど。怪獣好きなので。
HH 怪獣なんですね。
ライガー 僕は怪獣が好きですね。ウルトラマンはずっとウルトラマンでしょ。でも怪獣は１話１話、毎週毎週出てくる怪獣が違うじゃないですか。それは子供心に楽しかったですね。次はどんな怪獣なんだろうって。今みたいに情報がなかったので。“怪獣殿下ゴモラ”って、どんな怪獣なんだよ！ って。そういうワクワク感がありましたね。
HH 昔はビデオがなかったので、一場面一場面記憶するように見ていましたよね。
ライガー 見逃したら見れないんだもん。レンタルで借りてこようっていうのもないし。
HH 怪獣好きになるきっかけの怪獣はいたんですか。
ライガー きっかけになるというか、親戚のおじちゃんがバルタン星人のソフビの人形を買ってくれたんですよ。確か青色っぽいような感じの。昔のブルマァクかなにかのだと思うんですが。そのバルタン星人でよく遊んでいたっていう記憶があるんですよね。
HH やはりソフビとかは子どもの頃にたくさん持ってらっしゃいましたか。
ライガー そうですね。あの頃は怪獣関連か、自動車や飛行機のどちらかに分かれていましたよね。僕はもっぱら怪獣関係でした。
HH ガレキを作ってみようと思ったきっかけは何だったんですか。
ライガー 前に国技館が両国じゃなくて蔵前にあったんですよね。それで蔵前国技館に行く途中、玩具問屋の中を走るんですよ。信号で停まったときに、ゴジラとかガメラとかウルトラマンが目に入ってきて。今でも怪獣のおもちゃを売ってるんだって思って。それで道場の近所にあったおもちゃ屋さんに行ったんです。そうしたら『３D怪獣全集』（1984年に朝日ソノラマより発行）っていうガレージキットの本を見つけて。そこには凄くリアルな怪獣のガレキが載ってたんです。今の怪獣ってこんなにリアルなんだって衝撃を受けて。それで海洋堂さんのショップに通ったりボークスさんとかによく行ってました。
HH どのように保管しているんですか？
ライガー 道場のリングの下にあるんです。実は昨年の台風19号の時に水に浸かってしまったんです。でも箱はぶよぶよになったけど、中身は全然。水に濡れたって大丈夫だから、道場の裏で乾かしています。
HH 今集めてるシリーズとかはありますか。
ライガー それはないですね。今もっぱら自分で粘土でちょこちょこ作っています。怪獣ものって今あまり見ないんですよね。ウルトラとかは出ますけど。
HH ソフビだと毎月新しい怪獣アイテムが出ているんですが。
ライガー 何でだろう。最近の子ども達は買わないのかな。やっぱり昔のことを思って大人の人が買うのかな。
HH 今の人は完成品で出来のいいものがたくさんありますから。
ライガー 組み立ててあるやつね。おもちゃ屋さんもどんどん小さいお店が畳んでしまって。おもちゃ屋のおっさんに作り方を聞いたり、塗料は何がいいかとか教えてもらったりして楽しかったな。完成させたときの喜びっていうのがあるんだけどな。自分だけのものだしね。気にいらなかったらまた違うのを買ってきて作り直したりさ。そういう楽しみがあったけど、今は違うんだろうね。すぐ答えがほしいんだろうね。試行錯誤じゃなくて。もう完成されたものがほしい。ポチッと通販で。最短最短いっちゃうんだろうね。
HH 以前ワンフェスにもディーラーで出店されていましたよね？
ライガー そうです、私がリーダーで、友達と一緒に出店したんですよ。今は忙しくて全然できてなくて。出す作品も時間に追われると、納得できるものが作れなくて。申請してるから出さないといけないし。そういうところがちょっと嫌になりましたね。
今作りたい怪獣、そしてラストメッセージ
HH 今作りたい怪獣はありますか？
ライガー 今はゴジラとレッドキングを作っています。昨日は私が作ってるところを撮影したいって言われて。いいけど、黙々と作るから、シーンとしてるし、何の面白みもないよって言ったんですが、それでもいいからっていうから。じゃあってことで２時間位ずっと作っていました。僕はよかったんですけどね。普段時間がないので。久しぶりにやって。キャッキャ言いながら作らせてもらいました。
HH ファンに向けてのメッセージをいただきたいんですが、後輩レスラーに対してメッセージっていうのもお願いしたいのですが。
ライガー 僕がどうこう言うよりは、手前味噌の話になりますけど今のうちの若いレスラー練習量からしてすごいからね。会社が、シリーズ終わったら3日くらい道場に入るなって言うんです。なぜかというと、疲れが溜まっているのに若さにかまけて練習すると怪我をすると。トレーナーからアドバイスがあったんです。だけど若い奴らはきかないんですよ。誰かが練習始めるとすぐやる。だから会社が禁止令を出したんです。強制しないと、あいつら練習するんです。僕がとやかく言うことはないですけど、とにかく怪我だけはするなっていうことを言いたいです。怪我したら全部がパァですからね。今までやってきたこと、いろいろ積み重ねたりしたこと全部が止まってしまうじゃないですか。怪我は何も産まない。だから怪我だけはするなよ、ってそれだけかな。僕もいろいろ怪我してますから、怪我の怖さを知ってますからね。
HH 最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
ライガー 部屋の隅にでも、ちょっと飾っていただけたらうれしいなって思います。ああ、こういうレスラーがいたなということをたまに思い出してくれるとうれしいですね。ライガーは絶対カムバックないから。みんな言うんだよ。「いつ復帰するんですか」とか。武藤選手だって、「ほとぼり冷めたら復帰したらいいから」って。ほとぼりってなんだよって。「戻ればいいんだよ」って。わけわかんねえ（笑）。ないよって。
HH 実はもう一度対戦してリベンジしたいレスラーはいますか。
ライガー 夢が叶うなら、橋本選手とまたシングルやりたいね。僕もあれからキャリアを重ねて、前とは違った戦いができるかなっていうのがあるので。僕らのあの頃のジュニアって完全にヘビーと分かれていましたよね。ヘビーはヘビーっていう。今はわりとヘビーの選手とやる機会が多いので、そういう状態で橋本選手とやったらどうなるんだろうっていうのがありますね。もう一回やりたいですね。叶わぬ夢ですけれどね。
文／阿部雄一郎
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