3人で作っていくタイガに注目してほしい--16話までの間で、お好きなエピソードを教えてください。
寺島 僕は収録の段階から絶対この話はすごい! って思ってたのは、10話「夕映えの戦士」。あれは大人になればなるほど刺さる話だったなと思って。小田さんとのやり取りがすごく良くて、しかも夕焼けっていうのは画として本当にすごくて。あれ、どうやって撮影したんだろうって。あの話は大人の男としてぐっとくるものがありました。多分、見ていた方もそう思った人が多かったのではないでしょうか。過去のウルトラマンとの話もリンクしていて、いろいろな面でグッとくる話で、家で見ていてずっとサラサラ泣いていましたね。辛いなぁって。アフレコのときは総尺としてあまりわからなかったんですけど、オデッサとの戦いがあんなに短かったんだっていうのがより切なくて。半世紀も地球で小田さんとして暮らしていて、それでも生まれに逆らえず、戦士として命をまっとうした小田さんの戦いがわりとあっという間だったっていう儚さみたいなものが、すごく辛くも美しくっていちばん心に沁みました。あとは3話ですね。宇宙飛行士の夫婦の話。
井上 九条レントとナナの話が。
寺島 こんな辛い話があるかって、夫婦で見ていてずっと泣いていました。まだ3話だぞって(笑)。『タイガ』はヒーローとしての格好よさとかある中で、大人に刺さる面も多いので。3話と10話は特に刺さりましたね。
--ハードな話も多いですね。
寺島 2話もきつかったですし。「チビスケーっ!」って。
井上 失いがちなんですよね。
寺島 ヒロユキは特に失いがちだよね。
井上 特に10話は、小田さんを第2のお父さんだと思うくらいの気持ちでやったつもりだったので。何で戦うんだ!? って思う部分もやっぱりありますし。でも戦わないと地球が危ないとか、暴れてるオデッサを見て、見逃すわけにはいかないっていうヒロユキの決意とかも、できるだけ表現したいなと思ってやったところがありました。
寺島 俺、ヒロユキの「ガハガハ笑ってて、親父ギャグを言ってくれる、心の優しい人だ!」って言うのがすごく好きで。本当にお芝居ぴったりで。
井上 カメラには映ってないんですが、そのまま感情入っちゃって泣いちゃったんです。本当は「最後に泣いてください」って言われてて、でも最後泣くっていうのは僕の力量じゃまだコントロールできなくて、途中でいっちゃって。
寺島 それは感情が乗ってるっていうことだもんね。
井上 天候的な問題もあって、結構撮影の日程が変わったんですよ。それで10話は最初の冒頭のところだけ撮って、そのあと、先に14、15話くらいまで撮ったんです。それが終わってから、10話の最後の公園のシーンを撮ったんですよ。だから、他の話を撮影している間も10話のことは1日たりとも忘れたことがなくて。溜まりに溜まったものを出したっていうのもあったので、いろいろな意味で思い出の話が10話なんですよね。
寺島 すごくよかった。戦う意味っていうのをとっても考えさせられました。タイガも「俺にもわかんねえよ」って言ってたので、まだまだ未熟な2人がこれからどうやって成長していくのかっていう大きなきっかけの回でもあったのかなって思っています。
井上 特撮のシーンでタイガと一緒に僕も声をかぶせたりして。
寺島 一番ノッてるよね、今までで。
井上 監督もそういう回にしたいということで、アフレコであんなに時間をかけたのは初めてっていうくらいこだわりました。
寺島 手紙(の朗読)バックで戦ってるのは泣けるよね。
井上 そうなんですよね。小田さんのあの声がいいんですよ。
寺島 10話は重かった。『タイガ』は全部わりと重いんだけど。
--トレギアの暗躍も本格化してきました。
寺島 トレギアは本当に許せないですね。トレギアが本当にいい味を出してくれてるから。
井上 次も楽しみになりますし。
寺島 ヒールって大事だよね。ヒールに徹するキャラクターは大事で、今って悪役なりの矜持があってやっていて、それはトレギアもそうかもしれないんですが、あそこまで徹底的にやってくれると、戦う気持ちもどんどんわいてきますよね。
井上 いやあ、ほんっとうにムカつきますよ(笑)。
寺島 (笑)。超ストレート。特にヒロユキはいろいろ奪われてる感じがするもんね。
井上 本当に。10話の時点ではなんで小田さんがオデッサになったかとか理由も知らないので。霧崎が煽っていたからと全部知ったときの怒りもあるんですよ。
寺島 霧崎をトレギアだと知らずに出会ってるんだもんね。
井上 そうです。全然知らないんです。13話で霧崎とは出会うんですが、トレギアだってことはまだリンクしてないんで。
寺島 つながったときにね。いや、楽しみですね。加熱していくんでしょうね。
井上 多分タイガの寺島さんももっと大変になると思います。
--後半の盛り上がりが楽しみです。最後に今後の意気込みをお願いします。
寺島 大変だって今言われたので頑張ります(笑)! 14、15話も相当落ちていくっていう、今までのタイガにない荒々しい、燃え上がるような負の感情でお芝居していたので、今までのタイガにない無邪気さが消えた怖いくらいのお芝居をした上で、ここからさらに燃え上がるものが正義の炎に変わるようなお芝居ができるよう、16話に心して臨みたいと思います。
井上 僕は本編部分のクランクアップはしましたが、アフレコは続いていますし、特撮の現場でタイガのスーツアクターの(岩田)栄慶さんとお芝居をしたりっていうのが16話から増えてきて。一緒に並んでお芝居したりしてるんです。
寺島 そうなんだ! 楽しみ。
井上 そうなんですよ。そうやって栄慶さんと同じ現場になったり、今日のように寺島さんとお話しをさせていただいたり。同じタイガを演じられているお二人の姿を見ると、より一層気持ちが増すというか。そこに僕が加わって、3人で作っていくタイガが、後半どんどん力強く成長していく姿を見ていってほしいと思います。僕もそれが楽しみです!
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