――高橋さんが脚本をされた『仮面ライダーエグゼイド』もそうですが、『ルパン三世』も長いシリーズでたくさん作られてきた中、新しい話を考えるとき、どこから作られていくんでしょうか。
高橋 『LUPIN THE ⅢRD』は、石井さんが持ってきたキャラクターが最初にあるので、その敵キャラがどう動くのか、次元や五ェ門、不二子とどう絡むのかっていうところから発想するので、わりとキャラクター発想っていうのがありました。
でも第4シリーズの時(『ルパン三世(PART4)』2015年10月1日-2016年3月17日放送)は、イタリア・サンマリノを舞台にするというコンセプトが先に決まっていたので、イタリアらしいサンマリノらしい事件とは何か、モチーフとは何かっていうのを考えようということだったので、サンマリノを舞台にした話だったり、イタリアといえばサッカーだマフィアだレオナルド・ダヴィンチだとか、イタリアらしさを取り入れてやってました。だからその時々のシチュエーションとか企画によってそれは変わりますね。
――今回は石井さんからのメモを受けてキャラクターだったり、シチュエーションからだったりという。
高橋 シチュエーションとか事件の流れを考えたところで言うと、それぞれのキャラクターがどの街に似合うかっていう。
世界各国いろんな街があるじゃないですか、例えば、次元の時は架空の東ドロワ、西ドロワというかつての東西ドイツをイメージしてたんですけど、世界観的にも1960年代70年代ということで、僕の勝手な先入観ですけど、どこか生活感の無い街っていう『墓標』のイメージがあったり。
五ェ門の時は彼が日本人ということもあり、日本の下田市辺りが舞台になっていて、それは石井さんも言ってたんですが、その辺の雰囲気で任侠ものというか日本らしい和風な活劇をやるっていうコンセプトがあったんです。
不二子に関してはさっきも言いましたけど、風、水と来て、砂。ルパン三世のキャラクターたちの中で次元は猛禽類っぽいイメージ、五ェ門は犬みたいとかいろいろあるんですけど、不二子って猫だよねってなって。猫モチーフである不二子がいる場所と考えて、猫は砂漠の生き物だから、じゃあ砂をコンセプトにしようと。そこから乾いた気候というイメージがあったので街を設定して。
今度はその街に何があるんだろうって考えたとき、ゴールドラッシュの時代か、そうじゃないかみたいな、モチーフからちょっとずついろいろネタが出てきて糸を引っ張っていく、そんな風にして事件を考えてるっていうのはあったかもしれないですね。